UX-111B |
空間電荷(スペースチャージ)四極管 フィラメント電圧:1.3V 電流:80mA
電極部 |
A1級特性(動作例)
EP:20V IP:1mA EGS(スペースチャージグリッド電圧):20V Gm:850μモー μ:9
UX-111Bは、1933〜34年(昭和8年)頃、東京電気(現 東芝)で開発された省エネタイプの電池管で、プレート電圧20Vで動作する日本独自のスペースチャージ四極管です。(ラジオのグリッド検波では10V以下でも動作します)
私は、このタイプの真空管が使用された電池式メーカー製市販ラジオを知りませんが、当時の巷のラジオ少年(この言葉は戦後のことだけど)は、ポータブルラジオ・・等を作り楽しんでいた事でしょうネ。
空間電荷四極管というのは・・普通、真空管動作(増幅動作)を満足に行わさせるには、ある程度の高電圧をプレートに印加しないと、陰極(この球の場合はフィラメント)から放出された電子が陰極付近にモヤモヤとまとわり付きプレートに到達するのに困難を生じます。 そこで、陰極と制御グリッドの間に、もう一つグリッドを挿入し(スペースチャージグリッド)これに正電圧を加え、まとわり付いている電子(マイナスです)を中和させてやり、プレートに行きやすくした真空管で、普通の四極管と違うのは、挿入するグリッドを制御グリッドと陰極の間に入れている事です。 (写真はドン真空管)