30A5

(電力増幅用 5極管)   eH:30V  iH:0.15A


最大定格

EP:150V  EG2:150V  P損失:7.5W  G2損失:1.5W  G1回路抵抗:1MΩ(自己バイアス時)  H-K間耐電圧:ヒーター正負共150V


A1級増幅動作例

EP:100V  EG2:100V  EG1:−6.7V  G1:せん頭入力信号電圧:6.7V  IP:零及び最大信号時共 43mA  IG2:零信号時 3mA 最大信号時 11mA  rp:≒22KΩ  gm:≒9.2mモー  RL:2.4KΩ  PO:2.1W  全高調波歪み率:11%


  

         30A5



 30A5は、トランスレス・ラジオの出力管使用を主目的として生まれ、それまで存在した同種の出力管(例えば35C5等)に比べ、より低プレート電圧で高出力が得られる・・のを最大の特徴としています。(日本の商用AC100Vをそのまま整流してB電源とする場合に有利) (写真は東芝製) 

日本では1956〜7年頃(S・32年頃)に松下電器によって製造市販されたのが最初であったと記憶しています。米国名の30A5(ヒーター30Vのオーディオ用5極管)を、私はそのルーツが HL-94 という欧州名の球・・と知ったのは随分後になってからです。 当時の松下電器はフィリップスと提携していましたから HL-94も製造市販していたかも知れませんネ(?)・・。

昭和30年代中ごろから日本各社で製造市販されていった小型で綺麗なプラスチック系キャビネットの5球スーパーの出力管の多くは 35C5 と 30A5 ではなかったでしょうか・・。 ラジオ以外の使用では、低電圧大電流特性から昭和30年代中頃から話題になっていったオーディオアンプのSEPP・OTL出力段に利用されましたが、ヒーター電圧が災いしてか(?)実験的要素アンプの域を出ず、極少数であった・・と思います。

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