30M-P27

(電力増幅用 5極管)   eH:30V  iH:0.15A


最大定格

EP:165V  EG2:165V  EG1:正(0V) 負(−50V)  P損失:10W  G2損失:1.65W  カソード電流:110mA  G1回路抵抗:固定バイアス(0.5MΩ)  カソードバイアス:(1MΩ)  H-K間耐電圧:ヒーター正(150V) 負(180V)


A1級増幅動作例と特性

EP:130V  EG2:110V  EG1:−9V  gm:≒10mモー  rp:≒20KΩ  μ:≒6.5  RL:1.6KΩ  G1信号入力電圧(実効値):6.4V  IP:零及び最大信号時 共に 64mA  IG2:零信号時(2.5mA) 最大信号時(17mA)  PO:4W  全高調波歪み率:12%


      30M-P27



 30M-P27 の特徴は、低供給電圧(110〜130V)で、必要信号入力電圧が小さい7ピンのトランスレス用出力管として設計され、コノ手の電力増幅管では異例といってよい 4W の出力が得られます。 (写真は東芝製)

30A5 をルーツとするこの球は日本各社で(松下電器 日立 東芝 等)1964年頃(?)に製造市販され、昭和40年代初頭(1965年〜)の一般向け家庭用ラジオ付きステレオ(アンサンブル・ステレオと言うのかナ?・・)などに、シングル又はプッシュプル動作のセミ・トランスレス(AC100Vを巻き上げトランスを使い、整流後のB電圧を130V近くに上昇させて)で多用され、私も昭和50年代には随分多くのステレオセットを修理いたしました。

及び、低電圧大電流の最適低負荷インピーダンス特性から、巷のアマチュア製作アンプや、一部のメーカー製3点セパレートステレオに SEPP-OTL 動作で使用されました・・が、システムとしての機器効率を重視するトランスレス管の使いにくさゆえ、極少数であったと思います・・。

又、30A5 ルーツの真空管は 30M-P27 の他にも数多く、例えば 6CW5 6M-P18 30M-P23 等、十種類以上に及び、 30A5/HL94 系の性能や特性は、当時の日本の諸事情にマッチした大ヒット真空管であったのでしょう・・。

戻る