朝 5時に二人とも起きて朝飯を急いで食べ、下見したとうりに二人いっしょに釣り始めた(二手に分かれると下流の者が不利になるから)・・この時には蝋燭は無く、なぜか頭に浮かばない・・。

昼頃まで釣って二人で18匹である。16〜7センチの山女であった。 さて、帰りの車の中で私は大谷君に昨夜の蝋燭の御礼を言った、すると、大谷君は・・「え??、あれは三輪さんが点けたんじゃないの?」・・と、いつもの大谷君らしくない顔で言った。 私は頭の中が混乱してハンドル操作が不安定になりながら、昨夜のことを思い出そうと懸命になった・・(そういえば二回目に目が覚めた時にも、最初の時から蝋燭の長さは変わっていなかったし、燃えている炎も全く揺らいでいなかったようであったし、その煙も無かったようであるし、大谷君が寝ている後ろ姿が良く見えたから、その炎で明るかったに違いない・・)

一ヶ月ほどして、その近くの地元の家にテレビの修理に行ったとき、部屋の隅に渓流竿が乾して有るのを見ながら作業し、修理領収書を書きながら釣りの話をあれこれ聞いたり、その人が釣った山女をご馳走になりながら・・実は、これこれこういう経験をした・・と、話し終るか終わらないうちに、いままで笑いながらタバコをくゆらせていた人の顔がひきつった・・じっと私の顔を見ている・・「東芝さん、その話はすべきではなかったな、わしは じいさんから、そのことは子供の頃から聞いている、昔から山仕事で夜明かししたとき蝋燭が現れたら、そのことは他人に言っちゃなんねィ、と、聞かされてきた」・・という。 「なんで?」・・と聞いても押し黙っているだけで、ついに話をしてもらえないで今日まできた・・という。・・・・・(その訳を聞きたい、知りたい、蝋燭が現れるようになった元の話を聞きたい)

しかし、この経験は私にとって、なぜか後で思うとゾットする、とか、怖いとか、というのではなく、不思議だな、懐かしいな、あれはいったいなんだったんだろう?・・の感じなのである。 べつに危害を加えられたことも無く、ただ真っ暗闇のテントの中を、得体の知れない何かが二人のために好意的に照らしてくれたのかな?・・と解釈せざるを得ないのだ。 ・・(あのときの蝋燭さん、お元気ですか、有り難う御座いました。)

 ja1mvm.masa


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