そんな車を 大変だな〜ご苦労さん・・と思いつつ 対向車に注意しながら何台追い越しただろうか。自宅の大宮市に向かって北本を過ぎ、桶川あたりにさしかかった時、なにか前方の様子が変わった。 最初は何か解らなかったが、空気が澄んだようにハッキリ見渡せて、私の前を少し離れて四台の車が、つながって走っている・・のがよく見える・・雪が激しく降っているのに・・。
桶川を過ぎ上尾市に入る頃、四台の車は、どれもテールランプが点いていないし 走り方もスムーズで、しかもタイヤチエンも付けていないのに気がついた。 そして、四台の一番前を行く車は 霊柩車であった。
ジープは運転席が乗用車より高いから霊柩車であることが観てとれたけれど 普通の車では解らないかも知れない・・その霊柩車は、少し前の時代の車高が高く、神社の屋根のようなものがついた車である・・その間、他の車や対向車のこととか、又、こんな時間に、なんでまた霊柩車が、などという事は頭の中には無い・・わずか7〜8分の間だと思うけれど、他の様子は空白なのだ。
車は 上尾警察署を過ぎ、間もなく17号バイパスと旧中山道に分かれる陸橋にさしかかる。陸橋を左に折れ、太鼓橋のような処を登って下りれば大宮市である。
前の四台は、そろって太鼓橋をストレス無くスピードを上げて登って行った。私も無意識に後に続いた。・・が、雪が積もって、しかも降り続いている急坂である。四駆であるが速度は落ちる。私の車が坂の途中の時は、前の車は、その頂点に見えていた。
坂を登る途中の私からは、頂点から下る四台は一瞬視界から消える。・・途端、私は我に帰った・・。
次に、頂点に達した私の目に写ったのは、相変わらず雪が降り続く深夜の薄ボンヤリした街灯と、遠くに、かすかに見える乗用車の赤いにじんだランプだけである。
ja1mvm.masa