(出力段の続きです)
この動作状態で歪を無視した最大出力(pomax)は下記の式で求められます
Pomax=8/1(epmax-epmin)・(ipmax-ipmin)
Pomax=8/(530-100)・(0.14-0.015)≒8/53.8≒6.7(w)
又、無信号時のプレート損失(Pp)は Pp=Ep・Ip 340×0.07=23.8(≒24w)・・で最大許容プレート損失40wに対して充分なマージンです。
3極管の発生する歪は、その特性曲線から第二高調波(D2)が大部分です。 最大出力時の、D2含有率は下記の式で求められます
D2=2(ipmax-ipmin)/(ipmax+ipmin)-2・Ib×100%(Ib=当、負荷線図で約70mA)
D2=2・(0.14-0.015)/(0.14+0.015)-2・0.07×100=0.25/0.015×100=6(%)
(正確には高次高調波も含まれているから実際の全高調波歪率は6%より少なくなります)
最大出力に要する300Bの所要グリッド入力電圧(ein)は下記により求めます
300Bのグリッドバイアス電圧はマイナス70Vです。 よって ein=70×√2/1
ein=70×1/1.41≒50(v)・・P-P=100(V) (尖頭値=70v P-P=140V)
したがって回路実装動作に於いてこのスイング電圧P-P・100V以上をドライバー管(前段管)で余裕を持って出力させれば良い訳です。