昭和37年8月号のラジオ技術誌・・紹介ページより


 1961年に発売された8B型は8型(1959年)の改良品である。 その改良点は第一に、Hi-NFBアンプに付随的に生ずる位相補正の徹底にある。 位相補正に有利なNFB専用の3次巻き線を二組設けた出力トランスの採用。回路構成や回路値により、裸時(NFB=0)の可聴域特性(周波数特性や歪み特性など)を充分に広く確保して、Hi-NFBによる位相補正領域を遥かな可聴領域外に追い出し、そうして第二に、世界初(?)の、小容量(1.5PF)による超高域のみに作用するクロスオーバーNFBの採用で位相補正の最大効果を狙う・・という以外に、どのマランツアンプもそうであるが、第三に、低域スタガ比の確保に重要な、徹底した出力管のDCバランス及び全帯域の歪み低下に重要な出力管入力信号の徹底したACバランス・・等、マランツアンプの真髄がこの8B型に集約されている・・と同時に、マランツアンプの高音質の秘密がここにある・・と私は思う。 くどいようではあるが、過去から現在まで数多くの市販アンプ中、ここまで徹底した物が有っただろうか(?)・・私は知らない・・。

40年以上前にマランツ社は、音質にかかわる重要なアンプ設計項目を充分に把握していた・・のではなかろうか?。 又、マランツ・パワーアンプは、接続される各種のスピーカーを(スピーカーシステムを)最適駆動させる目的で早くからスピーカーのダンピング調整回路を組み込んでいて(8B型回路には採用していないが、その用いるべき箇所にはハッキリと示してある) Hi-NFBにより付随的に生ずるスピーカー駆動のオーバーダンプに対処している。

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